ダートグレード競走9勝(GIは6勝)も、夏場の5月〜9月はほとんど出走しなかったヴァーミリアンが帝王賞に初参戦。大井2000mは3戦2勝、2着1回の実績どおりの1番人気に支持された。2番人気は前年の覇者、ダートグレード競走5勝(GIは3勝)、ダイオライト記念(JpnII)優勝・かしわ記念(JpnI)5着で臨んだフリオーソ。3番人気は前走・東海Sで2着し、復調をアピールした06年JCダート優勝馬アロンダイト。4番人気は夏の好走が目立つ、07年の覇者(08年は2着)ボンネビルレコード。5番人気は、3歳の12月にデビューから快進撃を続け17戦16連対(13勝、金盃優勝)、前走は大井記念2着のバグパイプウィンド。以下、人気はアジュディミツオー(GIを5勝、06帝王賞優勝)、アンパサンド(07東京ダービー優勝)、スターシップと続いた。
コンディションは脚抜きの良さそうな不良馬場。真ん中からアジュディミツオーが好ダッシュを決め、スタンド前を先頭で通過。フリオーソ、ヴァーミリアン、ボンネビルレコードが続いた。過去3年の帝王賞優勝馬は3頭とも前に付けた。
デビュー戦以来6年ぶりに石崎隆之騎手を背にしたアジュディミツオーは、快調に飛ばし、2コーナーでは後続に3馬身の差をつけてレースを引張った。向正面で、追走する先行集団はフリオーソ、ヴァーミリアン、ボンネビルレコード、バグパイプウィンド、アロンダイト、マルヨフェニックスの6頭。中団にマンオブパーサー、スズノマグマ、アンパサンド、スターシップの4頭。後方にルースリンド、オキナワノドリームの2頭。
ハイペースでレースは流れ、3コーナー手前で、フリオーソとヴァーミリアンが逃げるアジュディミツオーに並びかけた。同時に、ボンネビルレコード、バグパイプウィンド、アロンダイト、マルヨフェニックスも仕掛けて、上位に進出。
アジュディミツオーが失速し、4コーナーをフリオーソとヴァーミリアンが並んで通過。外からアロンダイト、内からはボンネビルレコードが脚を伸ばしてきたが、直線は大歓声の中、3番手以下は千切れ、フリオーソとヴァーミリアンのマッチチレースとなった。200m標識手前でヴァーミリアンが一歩前に出て、そのまま押し切り、3馬身差で圧勝。
ヴァーミリアンは、その後も頂点に君臨し、2010年の川崎記念で9つ目のGIタイトルを獲得した。