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imageRace History

〜トミアルコ〜

今年はトゥインクルレースが始まって30周年となる節目の年。『トゥインクルレースの日』7月31日には様々なイベントが催され、大いに盛り上がりました。

遡ること31年前。日本初のナイター競馬を翌年に控え、次第に機運が高まりつつあるこの年、大井の田中康弘厩舎からデビューしたのがトミアルコです。

父は前評判の高いスピード系の新種牡馬ノノアルコ。兄に千二の東京盃、二五の大井記念を勝利した距離万能の名馬タイムリーヒットがいる良血。

『最初に角馬場で乗った時、これは凄い馬だと思ったね』とは主戦だった宮浦正行現調教師。3冠馬ハツシバオーなど数多くの名馬に騎乗経験のあるトップジョッキーのこの上ないお墨付き。デビュー戦を順当に飾りましたが、以降ゲート難を発症。

『とにかく悪くて、競走馬としてもうダメかと半ばあきらめたくらい』(宮浦調教師)。それでも苦心して矯正した甲斐があり、管理していた田中康弘調教師が『ゲートが開くのを今か今かと待っている感じで出が速い』と言うほどまでに改善。天性のスピード馬としての資質が全面開花。

そして迎えた東京3歳(現2歳)優駿牝馬。『川崎にビクトリアアイという速い馬がいるので自在に構えて』(宮浦調教師)の作戦通りに控える競馬。馬込みを全く苦にせずスムーズに5番手で折り合い、手応え抜群に抜け出し3馬身差の圧勝。見事3歳女王に輝きました。

その後のトミアルコの足跡について補足すると、再び脚光を浴びたのが、記念すべきトゥインクルレース開幕日のブリリアントカップ。脚部不安でクラシック路線を欠場したため、ここが復帰戦。初の古馬相手など高いハードルを難なくクリアして逃げ切り勝ち。続く千二の重賞東京盃では、ほどなく3冠を達成するハナキオーの2着。

更に地方全国交流競走としてこの年創設された水沢競馬のダービーグランプリに挑戦。高額賞金のこのレースを狙って全国各地のタイトルホースがこぞって出走してきたので、当然ハイレベルの争い。しかもスピードタイプのこの馬には距離の二千も課題でしたが、人気の北関東3冠馬サラノオーを抑えて堂々たる逃げ切り。年明けてオープン特別の新春盃では、アラブの怪物ノムラダイオーと壮絶なデッドヒートを演じてこれも逃げ切り。

通算成績16戦6勝。決して超一流という戦績ではありませんが、僅かな期間ながら大いに輝きを放ち、トゥインクルレースが来るたびに、トミアルコの名前が懐かしく思い出されます。

ケイシュウニュース 吉羽孝