第67回 東京大賞典 GI 2021年12月29日(水)11R 15:40発走 第67回 東京大賞典 GI 2021年12月29日(水)11R 15:40発走

レースヒストリー

2013年・2014年の東京大賞典を連覇。2016年の川崎記念を勝って統一G1・10勝を挙げ競馬史上に名を残す活躍をしたホッコータルマエ。

のちに大偉業を達成することとなったホッコータルマエは、2012年の年明けに京都競馬場でデビューする。結果は勝ち馬から3.1秒離されての11着と振わなかったが、2戦目には単勝オッズ49.1倍の9番人気という低評価を覆して初勝利を挙げる。
 「未勝利戦は難しい位置から直線差し切って勝って、その時に能力があることを感じた。その頃はまだ幼さがあってレースをわかっていなかったけど、幸騎手が乗るようになって上手く気性や脚質を考慮して馬の能力を引き出してくれた。レパードステークスを勝ったあたりから力が付いたのを実感したよ」と西浦勝一元調教師は当時を振り返る。

翌2013年佐賀記念を勝ったあたりから本格化してきたというホッコータルマエは、そこから名古屋大賞典、アンタレスステークス、かしわ記念、帝王賞と重賞5連勝し、秋にはJBCクラシックを制した。すでに一線級のダート馬として認められていた同馬は、東京大賞典では1.6倍の支持を集める。ゲートが開くと好位に位置取り、直線では並んだ3頭の追い比べから、ワンダーアキュートとの2頭の争いを制して年末の大舞台で勝利を挙げた。

飛ぶ鳥を落とす勢いで2014年も川崎記念、チャンピオンズカップで勝利。連覇のかかった東京大賞典では、好スタート切ってコパノリッキーの2番手からレースを進めると、4コーナーではリッキーに並びかけ直線で捉えて4馬身差つけて連覇を達成。

「オンとオフの切り替えが上手な馬で、目標にしたレースにはいつも最高の状態で出走できていた」と師は強さの理由を語った。

2015年3連覇のかかった東京大賞典では2着に敗れたが、川崎記念、帝王賞を勝ってG19つ目のタイトルを獲得。

2016年にも川崎記念を勝利してG1 10勝目を挙げ、この年引退が決まっていたホッコータルマエは東京大賞典に出走後JRA所属馬としては初となる大井競馬場での引退式が予定されていた。しかし脚部不安からチャンピオンズカップを回避して引退することとなり「関東で良いレースをさせてもらっていたので、最後は関東のファンの方にお披露目という形で引退させてあげたかった」という師の願いが叶うことはなかった。

現在種牡馬となったホッコータルマエは数多くの産駒を競馬場に送り出している。
西浦元調教師は「ホッコータルマエ産駒は地方競馬で活躍しているし、地方の所属馬も交流重賞で勝利している。いずれはホッコータルマエ産駒が地方から中央に遠征して活躍する姿を見られることを楽しみにしている」と近い未来に現実になりそうな夢を語った。

勝馬 豊岡 加奈子