1日のスケジュール
平常業務日
レース開催日
競馬×公務員から始まる新たな道
中学生の頃、親の影響で競馬に興味を持ち、大学生になって就職先を考えた時に、好きなものが競馬しか思いつきませんでした。大学では法律を学んでいたため、就職活動の1つに公務員試験を受験しようと色々調べていたところ、特別区競馬組合の存在を知り、もうここしかないと思いました。特別区の募集要項を見ると、競馬組合の採用予定人数は若干名との表記で、とても不安でしたが、内定が決まった時はとてもうれしかったです。
入庁してすぐは、他23区職員の方と同じ研修を受け、公務員とは何かということを学びつつ、職場の先輩方に大井競馬場がどのような方に支えられて成り立っているのかなどを教わりました。最近は、地方競馬教養センターに5日間泊まり込みで滞在し、厩舎作業や乗馬など、より馬に近いところでの研修も受けました。
お客様に1番近い部署としての責任
お客様事業課の開催管理係に配属されて2年目の時に、大井競馬場でJBC競走(※1)を実施しました。私は当日のイベント運営を主に担当し、お客様向けキッチンカーやノベルティ抽選会の企画、来賓のお客様対応など、様々な業務に携わり、達成感を得ることができました。また、反省点も多くあったので、2024年より大井競馬場で実施される3歳ダート三冠競走(※2)では、よりよいサービスを提供したいと思うようになりました。
3年目となった現在では、指定席や飲食店の利用状況を分析し、競馬場の改修時に、お客様のニーズに応えられるよう研究を重ねています。また、競馬開催にイレギュラーな事態は付き物なので、お客様への対応指示や万が一の開催中止などに対応できるよう、日々準備しています。
1年目から3年目までの間で、業務内容は毎年変わってきましたが、お客様を第一に考えて常により良いサービスを提供することをモットーとしていることに変わりありません。
(※1)JBC競走とは、ダート競馬の祭典と称され、毎年各地の競馬主催者の持ち回りで開催される。
(※2)3歳ダート三冠競走とは、羽田盃、東京ダービー、ジャパンダートクラシックのこと。新たなダート競走体系のもと2024年に創設され、すべて大井競馬場で実施。
競馬の醍醐味をひとりでも多くの人へ
2023年には大井競馬所属のミックファイア号が無敗の三冠馬となり、地方競馬が注目を浴びるきっかけになったと思います。それもひとえに、多くの競馬関係者の努力の結晶だと思っていますし、このような1頭の馬が頂点に立つまでの競馬の魅力・醍醐味を伝えるのは、主催者である私たちだと思っています。
お客様にどれだけ競馬の魅力を伝え、売り上げを伸ばして特別区23区の財政に貢献できるか、地方競馬をどうすればもっと盛り上げることができるのかを意識しながら、日々業務に向き合っています。
常に新しい大井競馬場へ
コロナ禍以降、入場者数が減少し、今もなお横ばいの傾向にある大井競馬場では、お客様サービスの在り方を再認識する必要があると思います。ネット投票が普及し、競馬場に来場しなくても勝馬投票券を購入することができるお客様が、競馬場に足を運びたいと思ってもらえるレースやイベントを提供したいと思っています。そのためには、大井競馬場の利点の1つである都心に近い、昼と夜で違う世界観を楽しめるなどといった魅力を活かしつつ、毎年何か新しい取り組みをしていきたいです。
メッセージ
私が就職活動をしていた時期は、コロナ禍の影響で多くの企業が採用数を減らしており、世の中全体が暗い雰囲気であると感じていました。そのような時、知り合いから「自分が就活の時は氷河期世代で、なかなか良い思い出がなかったけれど、企業との出会いは縁だと思うから、あまり思い詰めないで頑張ってね」と言われ、その言葉がとても心に刺さりました。その後、私は特別区競馬組合と巡り会うことができましたので、就職活動は焦らず、本当は何がしたいのか、どのように生きたいのかといった、自分を見つめ直すきっかけぐらいに思っておけば大丈夫だと思います。
オフの過ごし方
正直、競馬以外の趣味があまり思い浮かびません。レースが好きなので、競馬(JRA)を見ながら色々予想・考察したりするのも楽しいです。また、旅行を兼ねて遠方の競馬場へ行くこともあります。勝馬投票券を家で買っても、競馬場で買っても、残念ながらあまり当たりません。ナイター開催日は出勤が昼過ぎと遅くなるため、怠りがちな家事がはかどります。